目線です>


「「!」」

あたしが打ち明けた時、走り出したに叫んだ言葉。

あたしが叫んだ時の声は、まさに重なっていた。

あたしの声と、の声。

あたしを呼んでいたときと、全く違ったという言葉。



なんだ、あたしすごく馬鹿なことしてたのかもしれない。






fall in love -27th-





遊びの相手なら、あの時、を引き止める必要はあったのだろうか。

答えは簡単だ。必要は全く持ってない。

は来るもの拒まず。去るもの追わず。

なのに、あの時、が走って去っていった時に、確かにの名前を叫んだ。

それも理由は簡単。離れて欲しくなかったから。今までそんなことなかった。

あたしが離れる時だって、そんなこと決してなかった。


の気持ちがはじめて分かった気がする。

決して許されることじゃないけれど、今の少しの行動で、なんだか全てが分かったような、そんな気がした。




お互いが、惹かれあっていた。

それをあたしが壊そうとしていた。

二人とも、本気だった。



二人のことをよく知っている、間にいる立場だからこそ分かる。


今までなかったのあんなにあわてた表情。

今までなかったのあんなにあわてた声。

今までなかった去る者を追う。






自分が好きだった相手だからこそ、よく分かる。






あたしがためにしたことは、無意味なことだったのかもしれない。




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