あたしは一体どうすれば、自分を傷つけずに生きられますか。

あたしは一体どうすれば、他人を傷つけずに生きられますか。

誰かを愛するということは、自分が傷つくということですか。

愛には、恋には、必ず苦しみはついてくるものなのですか。

それがあたしには理解することができません。

どうしたら、この胸の痛みは取ることができますか。




fall in love -25th-




どこかが変だと、頭の片隅では理解していた。

だけど心がそれを拒否していた。だから、私の頭はそれを受け付けなかった。


気が付けば好きになっていた。いつから本気で好きになったとか、はっきり分からない。

でもただ、憧れていた。あの姿に憧れていた。









から聞かされたまぎれもない真実は、あたしを狂わせてばかりで。

あたしばっかりが、に振り回されていて。なのに心はこんなにも苦しくて。

どちらにせよ、あたしは確かめなければならない。この耳でしっかりと聞かなくてはならない。


そしてそれが事実だと証明されたのならば、あたしはこの身を引かなければならない。

真実だとしても、本人の口から聞かない限り、どうしてもそれは嘘だと言ってしまう自分が居そうで。



「これ以上、傷つきたくない。」



心の中で、そう叫んでいる自分がいた。

手の届かない存在だったのではない、手の届いてはいけない存在だったのだと、勝手に思い込もうとしている自分もいた。

もともとそういう運命だったのだからこそ、今こうやって別れがこようとしているのだろうと。

これは人間が生きている限り、仕方のないことなのだろうと。




だけど、忘れたくもない。



あれだけ好きになった相手は初めてだった。

あんなにときめいたのは初めてだった。

あんなに嬉しかったのは初めてだった。

何もかもが初めてだった。その嬉しさも、喜びも、全部、全部初めてだった。


そしてこの悲しさも、初めてだった。












ああ、あたし、こんなに傷ついてものこと好きなんだ。












たくさん悩んで傷ついて涙して、初めてこんなにものことが好きだと知った。

それでもまだ、あの笑顔に会いたいなんて。

それでもまだ、あの優しさに触れたいなんて。



本当に、自分が馬鹿だ。

本当に、自分が情けない。



でも、情けないほど好きなことに、


どうしても諦められないことに、今更気づかされた。






これ以上、傷つきたくないのに。









NEXT→