信じたくもない真実なのか、虚実なのか。それでも、この気持ちと涙は何なのだろうか。

自分自身のことでも分からなくなっている。

これは紛れもない真実なんだ、と頭がどこかで告げている。





fall in love -24th-





「あたしね、と付き合ってたの。2年の最初。ほんの少しなんだけど。お互いに秘密にしようって話してたの。色々あると思うからって。

 あたし、信じてたの。皆が知らなくても、あたしはの彼女なんだって。でも、違った。は次々浮気を繰り返してく。

 あたしもその対象だった。それが辛くて、にも同じ道歩いて欲しくなかったの。黙っててごめん…。」



何、それ。信じられないよ。でも、事実なんだ。……事実…なん…だ………

よくよく考えてみれば、彼女と別れたと言われた。

その後にことよく物事は進んで行った。冷静になって考えてみれば、こんな都合のいい展開なんかあるわけない。

そんなこと、あたしが一番よく分かっていたはずなのに。








「今のがどんな気持ちかはあたしは分からないけど…でも、それはどうにも確かめようがないの……

なんて言えばいいのか分からないけど、これだけ言っとくね…。何か嫌な思いさせてごめん。」







この気持ちは何だろう。裏切られたように痛いこの心は。



ただ告白されただけ。そう思えば辛いはずなんかないのに、あたしの心はを求める。

ずるいよ、ホントに。こんなにも好きにさせるなんて。しかも、偽りでなんてね。

でも、本人に聞いてみないといけない。でも、あたしの脳裏ではもうこのまま消してしまおうとも考えている。

それでも確かめなくちゃいけない。今度は本人に。




でも、何であたしはこんなに冷静なんだろうとふと考えた。

ああ、あたしは分かってたんだ。頭では。何かおかしいことに。

こんなにテンポよく物事が進むはずないこと分かってたんだ。でも気づかないふりをしていた。

気持ちばかりが先に進んでしまって、あたしはついて行くことすらできなかったんだ。




あたしは聞かなければならない。だけど、聞くのが怖いよ。

それで離れていくのが怖いよ。

ねぇ、あたしどうしたらいいの。





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