「はっ!?土曜日くんの家に行くー!?」 すっとんきょうな声を上げる。 fall in love -15th- 「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ?すごい展開じゃない?」 「でしょ?あたし自身も驚いてんだ笑」 だって、あんな無関係だった時に比べたらすごい進歩。 片思いのあたしとしては、やっぱり嬉しいわけで。 「そんなの駄目だよ!」 「えっ!?」 「男の家に行くなんて絶対駄目!」 男の家って言ってもさー…別に付き合ってないから大丈夫なんじゃー…? しかもあたしだったら、襲われるとかいう心配ないでしょ。 まったくは、慎重すぎなんだって!第一あのくんが。 彼女に振られて、落ち込んでたばっかりのくんだよ? あり得るわけないから。 「大丈夫だって!そんなの」 「駄目!絶対駄目!!」 「でももう約束しちゃったし…今更断るのも…それに、あたしくんのこと好きだし…」 「……近寄っちゃ駄目だよ?」 まったくもう、この子はいったい何を心配してるんだか。 近寄ったって何も起こらないってば。 そりゃくんがあたしのこと好きだったら、問題だろうけど。 そんなことあるわけないしね。 --------------------- 「土曜日にくんの家に遊びに行く」と言い出した。 本当に危ない、と思った。襲われるとかそういう問題じゃなくて、浮気相手になってしまうんじゃないかと。 はいつもそうだった。「彼女に振られた」そう言って、次々浮気する奴なんだ。 見かけからはそんなの全然想像できないから、噂を聞こうが、誰も信じないんだ。 ましてやあたしなんか、付き合ってること秘密にしてたから言いにくくて。 本気でのこと好きだったから、余計に言えなかった。 だからこそ、今、に甘えたかったのかもしれない。でもあたしは今、本気でが好き。 に、直接話しをしようかと思った。だけど、には会いたくない。 だから、必死にを止めるしかできなかった。できるなら、には関わって欲しくなかった。 には、傷ついて欲しくなかった。 には関わっちゃ駄目、って言いたいけれど NEXT→