くんとはなんと言っていいか分からない関係。



友達って言えないし、胸張って好きな人って言えない。



だってくんには彼女がいるから。あたしと正反対の。





fall in love -9th-





あの日の夜、くんから来たメールは2通。



「今日いたのは友達だから」
「あと、秘密にしといてくんねぇ?」



と続けて。



いいよ、別にあたしに友達なんて言わなくて。



だってあたし達は「他人」だから。兄弟でも恋人でもない。



それに、明らかにさ彼女じゃん。友達で、手つなぐ?おかしいじゃない?



そんなこと言ったら、彼女さんかわいそうだよ。ちゃんと彼女って言ってあげなきゃ。



「うん、分かった。」



とだけ返事して、それ以降はメールしてない。





あたしはカレンダーを見て、ため息をついた。



来週には、の練習試合を観にいく約束をしている。



練習相手校は 星城中で。やっぱりくんと会わなくちゃいけない。



会うのが辛い。 この間デートを目撃して、初めて気付いた自分の気持ち。



その前までは、会って話したいなとか 仲良くなりたいなとか思ってたのに。



あんな可愛い彼女じゃ 勝ち目なんかない。



分かってる。分かってるけど だけど、好きなんだよ。



諦めきれるほど あたしは大人じゃない。あたし、好きだ。くんのこと。



ただの憧れだと思ってたのに。恋だったなんて。



少ししか会話もしたことないのに。







あたしは恋に落ちました。






この恋から しばらく抜け出せなさそうです。





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