あんな光景見るんじゃなかった



自分の本当の気持ちに 気付いちゃった





fall in love -7th-





あ  はは   笑うしかないって、ホント。



なんだ、くん彼女いるんじゃん。メールしてただけで盛り上がってたあたしって馬鹿。



「?どしたの?」



くんの顔を知らない。だから、何が起こったかも分からないみたいで。



説明しようにも、唖然としすぎて動けない。口半開きの状態で、そのまま硬直。



あたしの異常には気づいたらしく、「もしかして あれがくん!?」と目配せしながら聞いてくる。



ようやく少し動けるようになって、少しだけ首を縦に動かした。



「う そ  」



2人で直視。視線に気付いたのか、くんがこっちを向いた。



隠れようにも隠れられない。だって、あたしの前はガラス張りだから。



くんも、あたしに気付いたらしく、彼女の手を握ったまま「あ」と口を開ける。



彼女はあたし達と、くんを見て、くんにしゃべりかけてる。きっと「友達?」とかなんかだろうケド。



くんの彼女はすごく可愛い。白とピンクの服着てて、かわいらしく化粧して。



髪の毛ふわふわにカールして、ミニスカートはいて。



対するあたしは、超がつくほどボーイズスタイル。



ダボ目のオーバーオールはいてて、片方のボタン外して、ゆるいTシャツ着て、キャップ。



どっからどう見ても正反対。彼女いる上にタイプも正反対。しかもデート現場目撃しちゃってさ。



ははは あーははは、   何してんだろ、あたし。




くんもさすがに無視はヤバイと思ったのか、あたしに手を振ってそのまま彼女と行く。



何さ、何さ。別に無視して行ってくれていいよ。うん。



彼女と気まずくなっちゃダメじゃんか。あたしなんかとはぶつかって、昨日ちょっとメールしただけじゃん。





うそ。手振ってくれたこと、本当は嬉しかった。




だけど、くんが彼女といなくって、男友達と居た時に、あたしに手を振ってくれるのかな。





あ゛ー 何この乙女モード!あたしに全然あわないじゃん!


ばっかだなぁ、あたし!あははははは




ホントに馬鹿だよ。くんへの特別な気持ち、今更になって気付いたんだから。




くんを好きになってしまったなんて




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