この日の出来事が

俺等の距離を縮めてくれた。





この想いを君に -3話-




「今日の練習マジでキツかったなぁ。」

が俺に話しかけてきた。

はライバルだけど、良き友達でもある。


「ホントだなぁ。でも皆いつも以上にペースが速かった」





「そりゃ、あのがマネージャーだもんよ。」




が頬を赤らめながら言った。

俺は、今ので勘付いた。だけどあえて言わなかった。



さんのこと気になってるって。



「さぁ、さんのこと好きだろ?」


けれどもコイツは聞いてきた。

でも俺は隠さなかった。隠す気持ちもさらさらなかった。


「ああ、俺はさんのこと好きだ」


隠したって、結局バレる。

しかもあのモテよう。敵は多いに決まってる。

だから、最初から宣戦布告。



こんなの最初に言ったもんがいいんだよ。





「やっぱな…。俺等、こっちでもライバルだな……」



は苦笑いしながら言った。

俺は真剣な顔で言った。


「そうだな。俺は譲る気ないから。」

「そんなこと、分かってるし。頑固なくんだもんなー」


笑いながら言う。

こいつ、さんのこと本気で好きなのか?とか思いながら、俺は部室を後にした。

































校門で、さんとばったり会った。


「さん。」

「あ…先輩!お疲れ様でした!!」

「お疲れ。一人?」


話題が途切れないように急いで話す。

何とかして話題を探す俺が居る。


「そうなんですよ…ほら、陸上部っていっつも終わるの遅いじゃないですか。」


俺は、途端に思いついた。






「でも一人なんか危なくない?もうこんなに暗いし。…送っていくよ。」

「いえ、そんなの先輩に悪いです!!」





そういう謙虚な彼女も好きだ。

他の女はいつも、媚びる。あの甲高い声で猫撫で声でしゃべる。

俺はそれが大嫌いだった。



「いいからいいから。」



そう言ってさんの鞄をひょいと取る。



「え!ちょ、先輩ってば!!」



「俺と一緒に帰りたくないとか?」



「そんなことは全然ないですけど・・・でも本当に悪いですって!!」



さんって、鈍いキャラだったんだ。



「俺が送りたいから送る。なんか問題点でもある?」




そう言ってさんのほうを向いてにっこりと微笑む。



「ない・・・です。じゃぁ・・・お願いします。」


「ん、りょーかい。」




そう言って

俺等はさんの家へ向かった。









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