「先輩、お疲れ様です」 「ん、ありがと」 差し出したタオルをさりげなく、ちゃんと受け取ってくれるあなたが好き。 傍に居られたのなら 先輩は男子バスケ部のエース。ポジションはセンターで、誰もの目をひきつけるような、華麗なプレーをする。 身長は180cmくらいあって、手も大きくて、でも顔つきは優しくて。 理数科で、何か頭もいいらしくって。なのに、全然鼻高くなくて、すごく優しくて。 ・・・あたりまえのようにモテてるけどさ!付き合って1年にもなる彼女もいるみたいで。 部活帰りに、いつも2人仲良く手をつないでいるのを見るのは嫌い。 かくいうあたしは、男子バスケ部のマネージャー。先輩より1コ年下。 バスケが好きだけど、できないからマネージャー。何でかって?だって、身長が低いんだもん。 女子バスケ部の先輩を見ても、全員160cm以上ある。あたしの学校のバスケ部は、地区でもすごく強豪らしい。 そんな中であたしなんかが出来るはずない、って思ったから。でもバスケとは関わって居たかったから。 だから、マネージャー。本当は女子のマネージャーをするはずだったんだケド、抽選で見事に落ちて、男子のほうに。 そんな中出会ったのは、先輩。 初めは「すごいなあ」ぐらいにしか思ってなかったのに、だんだん惹かれ初めて・・・ でも先輩はもうその時、今の彼女と付き合ってたみたいで、あたしは彼女になるのを諦めた。 ----ただ傍に居られたら なんて、甘っちょろいこと考えていたあたしが馬鹿だったみたい。 あたしの周りにも、先輩のこと好きな子がたくさんいて。みんな"次の彼女"を狙っているみたい。 あたしは・・・先輩が好きなら「早く別れろ」とか思うのはどうかと思うけどなぁ・・・ だからあたしは「彼女になる」なんて無謀な夢は持ってないし、ただ先輩の近くで同じ景色を見れたらな、って。 それでも、やっぱり彼女には嫉妬する。何であんなにいっつも傍に居られるんだろうって。 切なくなったりする、たとえ「彼女だから」と頭で考えても。 「?」 「あ、はい!」 「悪いんだけど、部室の掃除頼んだ!」 キャプテンに頼まれ、部活終了後、一人で部室の掃除をしなくてはいけなくなった。 元いたマネージャーは、「あんな汚い部室の掃除が嫌だ」と言ってやめたらしい。 確かに辺りを見渡せば、紙くずが落ちてたり、雑誌が落ちてたり(ええ、エロ本もありましたよ)、Tシャツが散らばってたり・・・ とにかく汚いので、さっさと掃除を済ませようと思い、雑誌を机に積み上げ始めた。 ---------がちゃ 振り向けば、そこに居たのは先輩。 忘れ物でもしたのかな、なんて考えてみる。 「わ、掃除ありがとね。」 「いいえー、マネージャーの仕事ですから」 と笑顔で答えてみる。余裕そうに見えるけど、実際は見えるだけ。心臓ばくばく。 「・・・手に持ってるのって・・・」 と言われたので、視線を手元に移す。 どうやらエロ本のことらしい。バスケットの雑誌と2冊持ってたけど、バスケットじゃあ驚かないでしょ。 「もう慣れましたよ」 と笑いながら答えてみる。 "エロ本があること"には慣れたけれど、さすがに"エロ本自体"に慣れることは出来ない。 「それはのだ!」 と笑いながらいう先輩。あとでからかってやろう、と言いながらあたしと一緒に片付け始めた。 あれ?先輩いっつも彼女と帰ってなかったっけ?待たせてあるんじゃ・・・? 「先輩、あたし一人で出来るんで・・・先輩は早く帰って休んでください」 「だってこんなヤバイ部室、女の子1人に頼めないって」 「でも・・・彼女・・・」 「あー大丈夫、ちゃんと先に帰らせてるから!つーか最初から手伝いに来たし」 先輩が、あたしのために手伝いに来てくれた?うるさい、うるさい、心臓の音 先輩に聞こえちゃうじゃんか、あたしの気持ちバレちゃうじゃんか。 「ってかさ、ってよく男バスのマネしようって思ったよなー」 俺だったらぜってー嫌だけど、と付け加えて。 「んー・・・あたしバスケ好きなんですけど、出来ないんですよ。ほら、背低いし」 「そんなの関係ねえじゃん?好きだったらやったほうがぜってー楽しいし」 「それに・・・あたしなんかが入ったら迷惑かかるし・・・。この学校、すごい強いじゃないですか」 「そうだなー・・・強すぎだよなー 笑 じゃー俺が今度バスケ教えてやるよ」 たとえ彼女になれなくたっていい。 少しでも、あなたの傍に居られたのなら。 ------------- 部活の先輩、後輩。あんま部活関係ないお話になっちゃったよ・・・ これって悲恋かなー?すっごい微妙だよね!汗 どーしよっかな。 とりあえず謝罪。こんな駄作、申し訳ないです。 リクエスト:美帆*サン