男の子台詞20御題-18 「心配したっつーの!!」-






「ごめん、あたし今日無理っぽい」



はぁ?








18 「心配したっつーの!!」









今日は久しぶりのデート……の予定だった。

が、朝に電話で聞いた彼女の第一声は冒頭に飛ぶのである。

……何、なに?どしたんだ?

なんか柄にもなく心配になってきた俺。

あーのことになると俺、小心になるなぁなんて、くだらない事を考えている場合ではない!

俺は急いでチャリに乗っかり、猛スピードでの家へ向かう。



かなりの距離があるのに、ここまでの道のりはあまり覚えていない。

早く着くのに必死だったため、息も絶え絶え。

チャリから飛び降りて、インターフォンを鳴らす。

何でだろう、はなかなか出てこない。

携帯に電話でもかけようか、と門の前で携帯を出すと勢い良くドアが開いた。

そこにはと、ちびっ子がたくさん。








「なぁ、どういうことなんだ?」


俺はいまだに訳がわからず、玄関先で突っ立っていた、


「どうもこうも、親戚があたしの家に子供預けてどっか行っちゃったんだよ。

  あたしの両親共働きだし、あたしが面倒見なきゃいけなくなって・・・・・・」

「で、その親戚はこんなに子持ちなのか?」


ざっと見回すと5人はいた。


「そうなの。あたしもお母さんから詳しいことは聞いてないんだけど」






・・・・・・





「はぁぁ〜〜〜・・・・・・・・ったく、心配したっつーの!!」

「はい!?」

「いきなり無理だとか言い出すから、熱でも出したんかと思うし・・・

   詳しい事情もなんもねぇし、メール送っても返事はねぇし・・・」

「あ・・・ごめん・・・」


んな謝られたら説教になんねぇじゃねぇか!!


「ま、なんもなくて良かったわ」


「ごめんね、」






クン…と俺の服の裾が引っ張られた。






「おにいちゃんはおねえちゃんのなんなのー?」





と子どもの一人が聞いてきた。

そしたらつられて周りの子どもたちも騒ぎ出した。



「こいびとってやつなのー?」

「えー、じゃあおねえちゃんと、おにいちゃんはけっこんするのー?」


「ちょ、ちょっと!」


が顔を真っ赤にして動揺する。ったく、ガキの言うことにいちいち反応すんなよな。

まぁ、俺としてもこのほうがからかいがいがあるからいいんだけどな。






「あぁ、そのとおりだ。おにいちゃんとおねえちゃんは結婚するんだよ」




突然のことに鳩が豆鉄砲を食らったような顔をすると、

キャーとかワーとか騒ぐガキの声がなんだかすごく嬉しく感じた。