のこと、本当は好きなのに。


こんなこと もう二度と、口に出しちゃいけない。









16 「俺ら親友だしな」










中学2年の頃たまたま同じクラスになって、仲良くなって、にだんだん惹かれ始めた。



親友という立場になってから、はいろんな顔をあたしに見せてくれた。



あたしはあの頃それで良かったし、親友という関係に満足してた。



欲が出てきたのは3年の春。とクラスがまた一緒になって、これも運命だと思った。



あたしにはしかいないと思った。こんなに話せるのはしかいないって。



だから、思い切って告白したんだ。やっぱり結果は駄目だった。






「ごめん、俺さのことそういう風に見れないから」


「そっか、でもこれからも仲良くしてよー」


「俺ら親友だしな」








こんなことなら、親友なんかにならなかったらって思った。



だけど、だけど、親友にならなかったら、あたしはのこと好きになってなかった。



だから、これで良かったんだと。これがあたしの一番いい道なんだと言い聞かせた。

















あれ以降も、あたしたちは今までどおりだった。



お互いそんなこと一切気にしないように振舞ってたし、周りだって不自然に感じなかった。



そう、つい3週間前まで。今はみんなに「喧嘩したの?」と言われるくらい、話さない。



その度あたしは、後悔するんだ。きっとがあたしと話してくれないのは、あの告白のせいだ って。



だけどさ、いきなりとか酷いじゃない?あたしの気持ち知ってるんだよ?



知ってるから特別優しくして、なんてそういうことを言っているんじゃなくて。



知ってるからこそ、今までどおり過ごして欲しいって。そうしようね、って約束したじゃない?








「ね、」


「・・・」


「聞いてる?」


「聞いてるよ」


「聞きたいことあるんだけど」


「・・・なに?」










聞きたいこと、いっぱいあって、何から話していいのか分かんないよ。



どうしてあたしのこと避けるの、とか


どうして話してくれないの、とか


やっぱりこんな関係なのはあの告白のせいなの、とか


もうあたしたちは親友じゃないの、とか



たくさんたくさん聞きたいのに   、













「俺も聞きたいことあるんだけど」


「なに?」


「は俺のこと、まだ好き?」













好きだよ、好きだよ、大好きだよ



だけど、もう言っちゃいけないから。もう、あたしの気持ちを出しちゃいけないから。











「・・・好きじゃないよ」






「そ・・・か」










何、その間。あたしのが辛いよ。せいせいしたって?あたしがのこと好きじゃないって知って。



はあたしのこと、ウザかったんでしょ?もう親友なんて飽き飽きなんでしょ?



もう  いいから  、










「俺さ、のこと好きになっちゃった」








「へ?」


「だから、好きになっちゃったって」






「誰が?」


「だから、俺がのこと好きになったの」










ちょっと待って、話の状況がよく飲み込めないんだけど。



あたしのこと、が好きになった?



そういう風に見れないって、言わなかった?あたしのこと、避けてたじゃない?










「なんかさ、意識しちゃうと話しかけれんくて、」








って、こんなにシャイボーイだったっけな?笑