なんでこんなに好きなんだろう。自分でも嫌になるぐらい思ってて、考えてて、なのに嫌いにはなれない。

どれどころか、どんどん好きになっていく自分。あいつは、あたしを惹きつける。

そして、あの子も惹きつける。惹きつけてくれるのは、あたしだけでいいのに。





01 「意味分かんねー」





「な、!一緒に帰ろ!」

「ごめん、あたし今日無理」



そう言ってそそくさと帰る。本当は予定なんかなんにもない。一緒に帰れないわけじゃない。

ううん、一緒に帰りたい。でも、帰れないんだ……





「ね、くん?一緒に帰らない?」

横から出てきたのはのことが好きなクラスの子。あたしもあんだけ積極的だったら…って思った。






正直悔しかった。







振り返るとと目があった。

一瞬がなんか言おうとしてたけど、あたしは聞きたくなくて走って逃げた。






はぁ…はぁっ………

ここまで走ったのは一体何年ぶりだろう。それぐらい、全力疾走だった。

息は切れる。涙は出てくる。本当に、最悪だよ。今、あたしものすごくひどい顔してる。

あの子は間違いなくが好きで、最近もあの子が好きだと聞いた。

本人に確かめようとも思ったけれど、あれだけ仲良かったら信じるしかないんだよ。



根拠もない噂なのに。



立ち止まって涙を拭った。そしてまた、歩き出した。

悔しいけど、諦めるしかない立場にある自分がすごく惨めだと思った。

言葉に出来ない自分が情けないと思った。




「あー、もう……なにやってんだかね!」



泣きながら笑う。悲しくて涙が出る。でも、情けなくて笑える。

長く伸びる夕焼けを踏んづけながら、への想いも一緒に踏んづけてしまおうか。



ドン、ドン、ドン、……………トン



影は消えることもなく、私の想いは消えるはずもなく。

そんなことを考えるしかなかった、それだけ余裕がなかった自分。

余計に虚しくて、もっと涙が出てきた。




よかった、人居なくて。



こんな顔、誰にも見せられないもの。

今だけ泣かせて、もう泣かないから。

だから、今だけはどうか人が来ませんように……






「お前、何泣いてんの」





ああ、もう最悪だ。何でこんなときに限ってがいるんだよ。

今一番会いたくない人だった。諦める、という決心が揺らいでしまいそうだった。

けれども、心の中で会えてよかったと思っているのは、あたしはへの想いが捨てられていないということなんだ。





「失恋かな!多分、無理なの!」




夕焼け空を見上げながら、空に向かって叫んだ。もうこれで最後にしようと。

なぜかいきなり来たコイツに、想いが届く前に。なかったことにしようと。




「失恋かぁー。じゃ、俺可能性できたわけってか」



「うん、そーじゃないの?…………………って何の?っていうか、何でアンタがここにいるのよ」



っていうか今コイツなんていいました?失恋?可能性?

そんなの…まるであたしのことが好きみたいな……ってそんな漫画みたいなことあるわけないか。



「やーが失恋したなら、俺にも可能性ありってことだろ?」



いやいやいや、あたし勘違いしちゃうよ。ちょっと待ってよ。

あたしはが好き。でもはあの子が好きで、あと告白すればいいだけだったんじゃないの?



「だって、失恋したんだろ?」

「うん、そだよ。だから何よ。」

「あーもう意味分かんねぇよ!」

「アンタのほうがあたしより訳分かんないよ!」

「だから俺にも可能性あるって言ってんだろ!?いい加減気づけ、ばか!」




「ばか〜!?……ん…??の好きな人って、ちょっとごめんね。間違ってたらごめんね。………あたし?…なわけないか」







「ああ、そだよ!悪いかよ!」

「はぁぁ!!?」

「えっ……」

「あたしはアンタが好きだった!でも、アンタはクラスの子が好き言ってたって聞いたから」

「だからお前のことだって言ってんだろ!?」






「「ぷっ……アハハハハハハ!!」」






結局あたしたちはお互いに「意味わかんねぇ」状態だったみたい、ね。





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謝罪。

ああもう、あたしが意味わかんねぇ状態です。

小説の意味がわかんねぇよ!って方、ごめんなさい。スルーしてもらって構いませんので。