毎朝会う、大好きなあの人。 06 制服の恋 あたしは、正直言って、学校が全然面白くなかった。 友達もそれなりにいるほうだし、先生にも嫌われてはないはず。 でもつまらなかったのは、 肝心な「恋」がなかったからだと思う。 そんなあたしが恋した。 毎朝、バスで会う人。 同学年のくんという人。 参考書を読んでいた時に、同じ学年ということと 苗字が「」ということを知った。 でも、制服じゃ、どこの学校か分からない。 顔は本当にカッコ良くて、誰でも惚れるってくらい美形。 性格は・・・詳しくは分からないけど、優しいと思う。 必ずご老人に、席を譲る。 小さい子がいたら、必ず席を譲る。 あたしもいつも、そうしようと思うんだけど、 なかなか勇気が出せないんだよね・・・。 -------------------------------------------------------------------- いきなり話しかけられて、どぎまぎしながら答えたのが あたし達の最初の会話。 「いつもバス一緒だよね?俺、。 こんな俺でよかったら仲良くしてやってね(笑)」 「・・・です。こっ!!こちらこそよろしくお願いします!!」 毎朝会う、愛するあの人。 今も愛してるくん。 あたし達が付き合うことになるなんて、 この頃は全然知らなかったんだけどね。