ここを真っ直ぐ行けば、あいつの家がある。








01 道の先に







あたしとは幼馴染として育った。

あたしはに対して「恋愛感情」ってのがあるんだけど、は全然。

ただの幼馴染。

どうあがいたってただの幼馴染。それ以外の関係なんて何もない。

しばらくはその関係が嬉しかったのに、今はとてつもなく嫌。

の“特別な人”になりたいなんて思ってる。






「はぁ・・・寒い!!」







塾の帰りで10時過ぎ。






誰も近くにいない。















「さすがに・・・危ないよね・・・。」






















夏とかは少し家の近くまで行ってたんだけど。







もうそろそろ危ないかな・・・。



















「はぁ〜、もう好きだぁ〜・・・・・・。」





















思わず言葉にしてしまった・・・。























「誰がっ!?」























「わっ!!!脅かさないでよ!!」





















まさか・・・当の本人に聞かれるなんて思わなかった・・・。














「で、誰?」

















何でそれを聞くんですか!?




絶対言えるわけないじゃない。






にとってあたしは「幼馴染」なんだから。























「えっ!?あたしなんも言ってないよ?」




















「嘘付け〜!“はぁ〜、もう好きだぁ〜”って言ってたくせに。」
























うわ・・・バッチリ聞かれてるじゃん。













「この空気だよ!空気!!(笑)」























「ふ〜ん。そっか。」
























信じてくれた・・・かな・・・?










































「俺は“が俺のこと好きだったらいいなー”って思ったけど?」



























「えっ・・・!?」





















「は俺のこと“幼馴染”としか思ってないかも知れないけど、

 俺はのこと、それ以上に思ってるよ。」
















本当?本当に?

















「あ・・・あたしはずっと、そう願ってた・・・よ?」

























「え?」






















「さっきぼやいた“好き”ってのは・・・のことってこと!!!」




















思わず叫んだ。




にちゃんと聞こえますように!って。














「マジで?俺、まさかOKもらえるなんて思ってなかったから・・・。」




















今更恥ずかしくなって、下を向いた。






















「付き合おうか・・・。」






















「うん・・・。」






















下を向いてたら、いきなり













「。」












って言われたから、振り返ったら


























唇に温かいものが触れた。































「!!???・・・!!???いっ、今何してっ!!?」



























「ん〜?何ってキス。」
























「も〜、信じられない!!」





















でも、実は嬉しかったりするんです。

























これからは、「恋人」として一緒に居ようね。