---- smile with...





「受験生は大変だよね」


付き合い始めたのはちょうど1年前。今年はもう受験生。

スポーツがしたいが故に、遠くの私立へ行ってしまうあたしの彼氏。

近くの公立高校を受けるあたしにとっては、とても寂しいことで。

推薦してもらえる彼。自力で受けるあたし。溝が出来てしまうのは仕方なくて。

会える時間も半分以下に減って、それでも一緒に居たいから下校を共に。


「何言ってんのさ、推薦のくせに」


十分な嫌味。あたしにストレスが溜まっているのが分かっているのだろう。

はいはい、と微笑みながら更に強く手を握られる。


「受験っていうか、会える時間が少ない、みたいな」


しっかりと手を繋ぎながらも、顔を背けるのは照れている証拠。

あたしもそんな彼を見て、思わず微笑んでしまった。



あたしの笑顔の隣には、いつも君がいる。