---- the hand ties with... わたしの彼は、びっくりするぐらいシャイボーイだ。 人前で彼女のわたしと2人で話すのを嫌がるし、一緒に帰るのだって付き合って3ヶ月でやっとできたのだ。 もちろんわたしは彼のシャイっぷりを熟知しているから、別に何も思わないし、むしろ軽くなくて良いと思う。 他愛もない話しをしながら帰るのは、本当に楽しくて、彼と一緒に過ごせる時間が嬉しくて。 だが、今日は少し違うことをしてみたい。 そう、今日は4ヶ月目の記念日。 わたしたちは普段からデートというものをしないので、特別な感じがないのだ。 しかもこのシャイボーイがきちんと覚えていてくれているかも謎なのである。 今まで一度だって手を繋いだことはない。 多少手が触れ合うことがあっても、恋人同士のように指を絡めて一緒に歩いたことはない。 ・・・手、繋ぎたいな そう思ってはいるものの、自分から言うのも気恥ずかしくて、なかなか言い出せない。 あと少しで、わたしの家に着いてしまう。そこでお別れなのだ。 すっ、と目の前に彼の手が出された。 わたしは驚いて彼を見た。彼は顔を真っ赤にして、わたしの方を見ないようにしている。 照れくさいんだろうな、と笑いながらわたしは彼の手を握った。 繋いだ彼の手は、誰の手よりも温かかった。