友達、友達。大切な男友達。


あたしの中では、それ以上だけれども。









素直に一途に






「うっそ。俺天才じゃね!?」

「残念ながらあたしも良かったんだなー」

「じゃ、せーので見せ合いな。」

「「せーの」」



と見せられたの点数は89、かくいうあたしは90。

ショックを受けてどんよりの、こいつの表情を見てにやっと笑うあたし。

今回のテスト、中学3年のあたし達にとっては大切なテスト。このテストで内申全部決まっちゃうしね。

それでお互い数学が得意だから、勝負しよう ってことになったんだけど・・・



「くそー!!1点かよ、おい!」

「残念でしたーへっへー」

「ちくしょーちくしょー」

「まだまだ修行が足らんのじゃー」




し、死に物狂いで勉強してよかった・・・!!には負けらんないでしょ、うん。

隣のこいつ、は返って来たテストをまじまじと眺め、採点間違いがないかチェックしてる。

あたしがこうやってをからかうのには訳があるわけで。

女の子は全員と言って良いほど、経験したことのある「恋愛」っていうものをしているわけで。

テストの点を競うことで、さらに一段と仲良くなれるんじゃないか、なんて考えちゃったわけで。

まーこの点は可愛い乙女と変わりはないんだけど、あたしの場合この後が問題で。





「あらあら、全部あたしに1点ずつ負けちゃってかわいそーに」


「・・・こんにゃろー」




と まぁ、こんな嫌みったらしいことしか言えなくて。

素直にちゃんとしゃべれることできないし、みたく可愛くもなれないし。

こんなに可愛くない奴、この学年にいないって。てゆーか、あたし女として見られてないし。

何なんだよ、何なんだよ。あたしは。まぁこんなに嫌気がさしているのは、他ならないあたし自身なんだけれど。





「おー」

「あ、だ、テストどうだった?」

「聞きたい?聞きたい?俺のすばらすぃー点数」

「いや、明らか良さそうだから遠慮しとく」

「聞いておどろくな、なんと55点なのだよ!」

「は?全然すばらしくないじゃん!笑」





とだったら、普通にしゃべれるのにさ。

何であたしは、の前だと普通にしゃべられないんだろうと、つくづく嫌になる。

毒舌は全くといっていいほど、変わってないんだけどさ、笑




「あーお前もも、何でそんな点数いいわけ?俺なんかとばり頑張ったってのに」

「あーそうなんだ、どおりで悔しがってたわけだ」

「もうこの際だから言っちゃうけど、あいつお前に勝ったら、好きな奴に告白するつもりだったんだとよ」






「わ、!それ以上余計なこと言うな!!」





・・・好きな人、いたんだ?

声にならない声が、あたしの中を駆け巡る。

あはは、あたし何してんだろ。全部無意味だったってことだよね、今までのあたしの努力。

好きな人居たことにも気づかなくて、いつもあれだけ見てたのに。すごい惨めじゃん。

こんなんで仲良くなれるわけないじゃん。少しでも近づけたかな?なんて期待を持たすんじゃねぇよ。バカ。






「わーごめんね、勝っちゃって!さぞ告白したかっただろうに!」





違う、こんなことが言いたいんじゃなくて


あれ   あたし何言いたかったんだっけ?




「ってかさ、告白したくてしたくてたまらんのですよ」

「ふぅん、せいぜい頑張れば」

「負けちゃったけど告白しちゃっていいと思う?」

「どうぞご自由に」

「結構いけると思うんだけどね、俺的に」



嫌だ、告白なんかしないで、。

勝手に口が動いて、あたしの本心なんか隠れてしまう。

今この心が、に聞こえていれば良いのに。

何であたしは素直になれないの?何で気持ち伝えらんないの?






「好きです、さん」






素直になれなくたって、君は全て分かってくれる。

それがあたしたちの築いてきた絆。

でもたまには、あたしだって素直になるように頑張るから、ね。




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相互してる織葉ちゃんにむりやりリクエストさせて、ムリヤリ押し付けた作品。

「誕生日プレゼント!」と言って。迷惑かけまくりじゃねえかよ 笑

執筆が大変遅くなって申し訳ない!こんなんで良ければ受け取ってやってね。

受験お互いに頑張りましょう!!交流全然できてないけど、これからもよろしくね。

Happy Birthday on November 6.

                        2005/12/17     柚瑠