あたし好みのチビ

そしてツリ目

にかっ、て笑うあの笑顔

好きになってしまったのは 名前も知らなかったあの人






「俺、ずっと見てたんだけど?」




一目惚れ。

色々理由はあるけれど、プレーに惹かれた、というのが1番の理由だろうか。

綺麗なフォームに巧みなボール使い。



全てが 魅了していく


それがくん。



ずっと見ているだけ。何を話しかけていいのかも分からない。

だから一度も話したことはない。

話したいと思っている。このままだと、あたしは絶対に話せない。





そんなの絶対に嫌だ!





そうだ、メールアドレスをGETしちゃえばいいんだ!!

ってーぇぇぇ!!そんな簡単に言っちゃっていいのか、あたし!?


っつーか、無理だろうよ…。あたしは一気に現実に引き戻された…。








そして今日は試合。

もちろんくんの学校も試合に出るわけで。

あたしにとって絶好の機会だった。



でもやっぱり勇気がでなくて、なかなか話しかけられないでいた。


試合は集中できた。問題もなく終わった。

けれどくんには全然話しかけられなかった。

あたしは悔しくて、なんだか情けなくってこの場にいたくなかった。



なんでこんなにも辛いのよ、



つーっと涙が頬を伝っていた。

体育館のロビーでただ一人であたしは泣いていた。




「さん?」




あまり聞いたことがない声

だけど、よく知ってる声




ずっと あたしの耳から離れてくれない声




「くん・・・?」



くんが何であたしの名前を…?

というか、何であたしは話しかけられているの…?

あたしは涙を拭い、泣いていたことがばれないように装った。



「試合、お疲れ様」

「お疲れ様。優勝おめでとう」

「ん。ありがと」



なんであたし今、話してるんだろう。

何か訳でもあるのかな。


でも、



---どうせメアド聞いたって、何にも変わりはしないんだ





メアドを知らないより、知っていてメールできないほうが辛い。

それならいっそ、知らないほうがいい。




「どした?」

「え?」

「泣いてるか、ら」




ああ、あたしまた泣いてたんだ。



「試合で 思うように動けなくて」



本当は今までにないくらい、調子が良かった。

絶好調だった。顧問にだって褒められた。



だけど



恋の方は 全然だめだよ





「今日すごく調子良かったんじゃない?」




よかったよ。よかったけど、だけど…







「俺、ずっと見てたんだけど?」




ずっと見てたって…それって、……え?

もしかして、……ってそんなわけないじゃない……。





「んー、っていうか俺、さん好きなんだけどね」











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はちさんお誕生日おめでとうございます!

今年で14歳でしょうか?あたしもあの頃は若かったなぁ・・・(ぇ

こんなもの押し付けてしまってすみません!

返品可能ですので。気に入らなければゴミ箱にでも。


Happy Birthday to you!!
                        2005/09/25    柚瑠


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***すみません。あまりにも杜撰な作品だったため、大変申し訳ないながら、修正、加筆させていただきました。

  話の内容もかなり変わっておりまして。あの時は一生懸命書いて良かったと思ってた作品なんですけれども、

  今読み返すと本当にお恥ずかしい限りなもので…。タイトルも全く合わなかったので変更しました。手、加えまくりです…。

  プレゼントということだったのですが、こちらへ書きかえをさせていただきました。


                                                                         2008/03/08   柚瑠