「ちょ  待てって!!!」











あたしには 浮気を受け入れちゃうような













そんな余裕は    ない の











続・偶然の出逢い【後編】















「別れようってどういうことだよ  」












「そのままだよ・・・もう1人の彼女がいるんだからいいじゃない」



















嫌でも と あの綺麗な人が一緒に歩いてるの










頭の中に 鮮明に  よみがえるの

















「 俺が 浮気してるって言いたいのか?  」














時は11時















いつもは多い人通りも 今日はなぜか少ない














少し雲のかかった月が あたしたち2人を照らす













「そう  だよ  」















嘲笑するように



















冷たい風が吹く
















あたしの涙を 表すかのように















「俺は 絶対そんなことしてない!」













別れるなら  きっぱり別れたいの










ズタズタに傷付いて もう2度と愛せなくなりたいの




















「だったら・・・だったら今日の女の人は何なのよ!?」















以外の人を愛すなんて       考えられないから















「違っ・・・あれは       」














「聞きたくないっ・・・」














暗闇が あたしを飲み込む















「言い訳なんか   いらない  」



















あたしの 心と 一体化して















に思いっきり引っ張られる












あたしはすっぽり 胸の中に納まってしまった












「触んないで!」













自然と涙がこぼれる








のためになんか   泣きたくないのに
















本当は   すごく大好きなのに

















腕から逃れたくって バタバタもがいても無駄

















あたしを抱きしめる腕の力は 強くなるばかり

















「あれは、姉貴の友達だから」















「そんなの信じると思うの!?」

















嘘つかなくていいから









余計に 辛いだけだから


















「俺 姉貴のバイト先に呼ばれてて  その姉貴の友達も呼ばれてて」













聞きたくないよ














「その姉貴の友達が 俺の中学の時の先輩で・・・ 行く途中に会って  」












「あーもうごめん、言い訳にしか聞こえねぇ」


















好き    大好き
















「でも俺 とはぜってー別れねぇから」

















あたしもだよ























返事の代わりに







あたしは の背中に腕を回して 強く抱きしめた