なんで、なんで、なんで、なんで…………

何で秘密にしておく必要があった?何で正直に話してくれなかった?

そんなに話したくない過去だった?そんなにあたし、頼りなかった……?






fall in love -21th-






ずっと仲の良かったあたしと。

隠し事はしない、ってずっと前から約束してた。なのに、あたしはずっと嘘をつかれていた?

なのに、あたしはこともあろうか元カノに相談していたってわけ?

なんなの、この展開。あたし、かなりバカじゃん。なんか、漫画みたいな、嘘だよね?





「ね、?何で言ってくれなかったの……?」

「………………」

「…嘘ついたのには理由があるんだよね?」




「…ごめんね。俺、と付き合ってたんだ。」




この張り詰めた空気を破るようにが話し出した。















「俺ね、1年前くらいとつきあってたんだ。」











頭がくらくらする。

何を考えているのかも自分自身分からない。

ただ、心臓がばくばくとなっているのは嫌でも分かる。

私の目が、どこを見ているのさえ分からなかった。

視点も合っていなかった。


悲しいのか、寂しいのか、自分が情けないのかさえ、分からなかった。







走って走ってどこまでも。

わけが分からなくなるぐらい、早く走って、全ての記憶をなくしたい。

と出会った記憶も、と一緒に話して笑った記憶も、を好きな気持ちも、全部全部忘れてしまえたら。

全部捨ててしまえたら、こんなに辛くなんかないのに。

どうして人間には、あたしには、そんな簡単なことができないんだ。


こんなことなら、人を好きになる気持ちなんて、もって生まれてこなければ良かった。

そうすればこうやって傷つくことも、わけも分からず泣くことも、こんなに苦しいこともなかったのに。





でも、一番悲しいのは、親友に隠し事をされていたこと。





から話を聞いていたら、たとえ好きになったってこんなに苦しくない。

裏切られたような感覚が、ううん、裏切られたと思うこの心が一番苦しい。



あたしは一体、の何だったのだろうか。



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