叶わない恋だと分かっているけれど それでも あたしは好きだから fall in love -12th- あの練習試合以降、あたしとくんは頻繁に連絡を取るようになった。 別にどっちかが送るってわけじゃないんだけど、気がついたらいつの間にかメールしてる・・・みたいな。 1日30通平均。普段メールとかほとんどしないあたしにとっては(めんどくさいから)奇跡的。 まあ、くんが携帯没収されて、パソコンってこともあると思うんだけどね。 あ、でもなんか今日携帯返してもらえるらしい。テスト終わったらしくて。 〜♪ 軽快なメロディーがあたしの携帯から流れる。 きっとくん。いつもこの時間帯にメールが来るから。 ディスプレイには「」 ほら、ね。 いつの間にか、あたしの生活にはくんが入ってきちゃってて。 いつか、この生活が崩れるのが怖くって。せっかく手に入れた、ささやかな幸せなのに。 別に、くんの彼女になれなくたっていい。あたしがくんを好きならば。それでいいの。 欲を言い出したらキリがないけれど。 くんの彼女になりたい、 とか くんと愛し合いたい、 とか そんなこと思うのは、日常茶飯事だけど だけど 絶対にあり得ないから。くんには好きな人がいるから。 --------------------------- 送信者: 本文:別れちゃった ---END ---------------------------- え、なにこれ ? さっきくんから来たメールだ・・・ 携帯から来てるってことは、返してもらったんだよね。携帯。 で、その第一文が・・・「別れちゃった」って ? 何で、何で? あんなにさ、仲良かったじゃない?一緒に笑い合ってたじゃない? なんで ? このときあたしは この先に見える未来なんて分からなかった。 むしろ 見えなくて当然だった。 NEXT→