あの出来事のせいで


幸せは


音を立てて 崩れ落ちた














Because of tears -3話-













あたしが、話を止めてる。



それは分かってるのに、喉が詰まって言葉に出来ない。



















「なー、さ。何泣いてたの?俺、その涙のわけ知りたいんだけど・・・

 俺が聞いてもいい?」





















お願いだから、聞かないで。












お願いだから、優しくしないで。
























お願いだから、あたしのことなんて忘れて。























「泣いてなんか・・・ない・・ですよ?」

















知られちゃいけない。





あたしがすぐに泣いてしまうってこと。








涙のわけが先輩だってこと。













今以上に、辛い道を歩くのは分かりきっているから。































「ふーん。そっか!変なこと聞いてごめんな!」



















何とか・・・誤魔化せたのかな?





誤魔化せてないと、困る。








早く、離れたい。









ボロがでてしまいそう。

















「いえ、いいんですよ。あ、先輩こっちですよね?

 あたし、逆方面なんで・・・。」








T字路になったところに止まって、先輩に別れを告げた。







今すぐにでも泣きそうだった。













「うーん?俺、こっち行くわ。もう暗いし、心配だし。」
















何も知らなかった、あの頃に戻りたい。








笑顔が輝いていた、あの幸せだった頃に戻りたい。








そうすれば、素直に笑えるのに。











今だって、すごく嬉しいはずなのに。













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