「もー、、それは有り得ないって!」 の楽しそうな可愛い声が響く。 あたしは何をしてるんだろう。一体何がしたくてここにいるんだろう。 ああ、そうか。がくんに告白しろって言い出したんだっけ。 何にも出来ないくせに、あたしはまだ何を期待しているんだろう。 好きという病気 *後編 とは二人できゃーきゃー騒いでいるのに、あたしとくんはものすごい静か。 そりゃそうだよ。好きとも何とも思ってない、ただのクラスメイトと放課後にわざわざ話してるんだから。 もともと仲のいい二人はいいとして、あたしとくんはほとんど何もしゃべらなくて。 そんな二人の仲にぽん、と放り込まれたあたし達。会話しろってのがまず無理で。 が肘で突いてくるけれど、あたしと話しするのも面倒くさいだろうし。早く帰りたい。 ・・・ちょっと待ってよ。 何でくんに睨まれてるの、あたし?何か悪いことしたっけ? ていうか、あたしの右側にが座っていてね。その前の席にくんとが座っているのよ。 こっちを振り返ってるのよ。正面向いて話してるのよ。(あの二人はね) あたしとくんは正面に座っていても会話はしていないから、顔を見ると見詰め合ってしまうわけで。 あたしはそれが恥ずかしくて仕方がないのに、なぜかくんに睨まれているという。 ああもう分かったから。あたしに早く消えて欲しいのは分かったから。 「ねぇ、ってば!!!」 「はえ!?」 の声でふと戻った。 あのまま戻らなかったら、あたしどうなってたんだろ。 「そろそろ帰ろうかってと言ってたんだけど!?」 あ、そういうことね。 「うん、そうだね。もうすぐ下校時間だし。 帰ったほうがいいかも。」 「じゃ、帰ろっか。」 え。ちょっと待って。 君も一緒に帰るの!? 「あ、!あたしのシューズ一緒に買いに行くの頼まれてるから、 君と先に帰っといてね?じゃ、ばいばーい★」 はぁぁぁぁぁ!!??? このあたくしに、自害しろと? ----------------------------------------------------- 沈黙。 苦しい。 やばい、泣きそう。 「あのさ、。」 「はいっっ!!??」 「そんな驚かなくてもいいじゃん(笑)」 あ、笑った・・・。笑顔可愛い。。。 「ってさ、俺に彼女いると思ってるだろ?」 「え、いるでしょ?」 「いないし!!それを誤解されてたから、さっきあんましゃべれなかった。ごめん・・・。」 そんなこと考えてたんだ・・・。 さすがだなぁ〜・・・。 「あたしこそごめんね。何か誤解してたみたいで。」 本当に彼女が居ないかは分からない。 だけど、君を信じたい。 「全然気にすることじゃないって。じゃ、寒くなってきたし、急いで帰ろっか!!」 そう言って、握られた手。 握られた手の影は、まるで恋人のように見えた。 少し、勇気を出して頑張ってみよう。 まだまだ病気は長続きしそうです。